Wikipediaの情報は大丈夫?

 Googleべんりですよね。macで知らない言葉を検索すると、Wikipediaが出てきて、そのあとにGoogleです。

 WikipediaGoogleもとても便利ですが、分野によります。

これはWikipediaの「工作機械」の項目にあった文章です。今は削除されています。

 工作機械の発展と母性原理

現存するすべての機械は、いずれもどこかの工作機械から 生み出されている。そのため工作機械のことを 母なる機械-マザーマシン-と呼ぶこともある。 現代の工作機械もまた、歴代の工作機械から生み出された。 これは、「創めて作られたコンパイラは何でコンパイルされたか」という疑問と同じく、創めの工作機械はどうやって作られたかという疑問が出てくる。

これについて明確な答えは無いが、有史前に職人が手作業で作り上げたと推測される。 またおそらく、単純に全ての機械の生みの親と言えるべき工作機械が存在していたわけではなく、ほぼ同時期にいくつもの工作機械が手作業で作り出されたと考えられる。

初期の工作機械の精度は悪かったと考えられる。 歴代の技術者の努力によって、精度の高い工作機械が作られ、 それがさらに精度の高い工作機械を生み出すことを繰り返し、 今の工作機械の精度が得られるようになった。 機械の精度を高めるために、キサゲラッピングという金属加工の技術が編み出された。 キサゲとは、木の棒の先に、超硬バイトをつけて0.1μm単位で削る加工方法である。この手法で削られた金属面は、 ウロコ状の模様になる。目的として、摺導面に油だまりを作り摺導摩擦を軽減するのと、0.1μ単位で機械の部分的な精度を 向上させる。しかしながら、この手法は、高度な習得技術を必要として作業時間もかかる。 このために、摺導面を持つような、工作機械は高額になるといえる。

 

ところで工作機械には「工作機械以上の精度で部品を生み出すことが出来ない」という母性原理が存在する。 この原理を真に受けると、このように次第に精度を上げてきた工作機械の歴史には矛盾があるように感じる。

しかしこれは、例えば 10μm の精度の工作機械が生み出す部品は、必ず 10μm の誤差があるわけではない(1μm=0.001mm)。 精度 10μm の工作機械を用いてまったくおなじように 1000 個部品を作ってみると、出来る部品の誤差が ±10μm の範囲に収まるという意味であり中には 1 個くらい ±1μm の部品が出来る可能性がある。 選りすぐられた精度の高い部品のみを使うことで、 母性原理に反せず工作機械の精度を向上させることができる。 また、職人が砥石等を使って精度を上げた部品の採用や 誤差が出にくいように設計する工夫なども精度向上の歴史を担ってきている。

 さて、この文章を読んで、工作機械の発展とはこういう歴史があるんだ、母性原理なんて原理があるんだ。などと思った人。騙されてます。

  この文章、何が問題かというと、何も本を読まずに書いたところです。誰かに工作機械の話を聞いてそのまま項目にあげちゃったんだろうなと思います。

 話を聞く人を間違えましたね〜これ全部嘘八百並です。話した人もこの結果を期待して話したのかもしれませんが、これ書いた人はアカウント消えてるので元気にやってると思います。

 Wikipediaやばい!という話をしたところで、こういう記事を信じて、人に話をしたら、あろうことか、会社の報告書を書いてしまったら。

 いるんです。会社の報告書でなんか変であれ〜って思ったら出典Wikipediaでした。というのがあります。

 ソフト屋さん、電気屋さんは注意です。ソフトと電気の項目はしっかり書いてる人が多いんだけど、他の工学の分野は品質が低いです。ソフトと電気の項目と同じクオリティだと思ってると痛い目を見ます。

 ただ、分野問わず、参考文献書いていない項目はほぼ地雷です。参考文献書いてくださいとノートで書かれた時に逆ギレする人もいますが、素人が正しいかどうか判断するのが参考文献です。

 参考文献を読んでみると、参考文献にWikipediaが書いてあることがあります。こういうのを読んで何かアウトプットしたらおしまいです。地雷を踏んだと思って諦めてください。

 「じゃあどうすればいいんだ!」という気持ちになると思います。

百科事典買えばいいんじゃない?

 お後がよろしいようで